草魂


 犬を飼っているので庭に除草剤を撒けず、休日は強靭なつる草と戦っている宣伝チームの常世田(トコヨダ)です。

 それにしても草花の生命力の強さには驚かされます。特にクズ(葛)という、つる性の多年草が強敵です。そのつるの成長は、梅雨明け頃をピークに1日70~80センチも伸びます。長さは30メートル以上になるし、つるの途中の節からも根を出し定着。地面を這い、フェンスや木・電柱に絡みつきます。農業関係者から『グリーンモンスター』と呼ばれている厄介者です。



 そんなクズと対峙しいると、他にも様々な雑草が生えていることに気づきます。背丈の高いもの・低いもの、茎が太いもの・細いもの、花を咲かせているもの・そうではないもの…。どれも名前を知らないので「雑草」と書きましたが、人間が世話をしなくてもみんな勝手に芽吹くんですね。正に草魂です!

 「雑草という草はない」と言ったのは植物学者の牧野富太郎博士ですが、庭や道端に生えたこれらの草花もちゃんと調べれば名前があるはずです。少し興味が湧いてきました。

 というのも、名前や性格を全く知らないと付き合い方も分からない人間関係と同じだからです。草花の名前や特性が分かれば、除草した方がいいのか/残した方がいいのか判断できます。例えば先出のクズの場合、その根っ子(塊根)がイノシシの好物になるそうですから、獣害に至る前に除去しておきたいところです。



 逆にリスクのない草花であれば、果樹などの受粉を助ける蜂や蝶の生態系を守るうえで残しておいた方が良いと判断できます。

 昨年8月、大熊町に引っ越してきた直後に感じたことは「雑草が多いなぁ!」ということでした。耕作放棄地や住宅解体後の空き地が多いこと、さらに夏真っ盛りの時期だったので町内が雑草だらけに見えたのです。

 でも、それらの草花をちゃんと調べることで「雑草」は無くなり、場合によっては野辺に咲く花々を観光資源にできるかも知れません。ウソのような本当の話ですが、近年愛知県名古屋市では『雑草路上観察ツアー』という有料のイベントも行われていました。



 とはいえ空き地にも耕作放棄地にも土地所有者がいます。ですから草花の名前を調べて歩くときでも無断でよそ様の敷地に立ち入ってはいけません。歩道や公共施設など、立ち入りOKな場所で雑草観察しましょうね!



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