先人に学ぶ


 オリンピックやメジャーリーグなど海外で行われる競技であっても、私たちは茶の間にいながら日本人選手の活躍をテレビ観戦することができます。いい時代になりました。

 でも過去に戻ることはできませんから、昔の知らないことは、資料に頼るか生き証人に話を聴かなければなりません。

 宣伝チーム常世田(トコヨダ)が初参加した、おおくまふるさと塾さんによる「町内古跡めぐり」。町役場の生涯学習課や環境省さんの協力の下、中間貯蔵施設の敷地内で催行されました。案内役はおおくまふるさと塾顧問の鎌田清衛さん。


古代ピラミッドお謎に迫る?


 かつて縄文土器が出土していたという南沢地区。ここには中間貯蔵する土壌貯蔵施設の建設が予定されていましたが、そうした背景から計画は変更され、この一帯の環境は保全されたといいます。地域住民の声が国に届いたからでしょう。


日隠山の謎を語る鎌田さん


「海渡(みわたり)神社」は震災前の姿を残す貴重な建造物です(多くの神社は震災後に建て替えられています)。この神社を起点にすると、春分と秋分にはちょうど日隠山(ひがくれやま)に陽が沈むことが確認されたそうです。ピラミッド伝説にも似た逸話があったんですね。そして、日隠山の方角に茂ってしまった樹木の伐採も環境省の手で行われ、今でも春分には、ここで日の入りを見る会が開かれています。


経年劣化著しい遍照寺
天狗党残党の墓

遍照寺(へんじょうじ)は双葉~浪江方面まで広く檀家を持つ名刹でした(現在は広野町で別院を運営)。町内に残された本堂は経年劣化により荒れ果てた姿となっていますが、今も境内には水戸藩士・天狗党の渡辺市治の墓がひっそりと建っています。


熊町幼稚園の傍らに建つ忠魂碑
園庭にそびえる紅葉の巨木


 熊町幼稚園では、園庭に佇む紅葉の古木(オジサンもみじ)の話や、敷地の傍らに建つ忠魂碑にまつわる民話を聞かせてもらいました。こうした機会に参加しなければ、決して知ることはなかったでしょう。


正門側から望む熊町小学校
梯子を抱いたプラタナス

終戦直前の熊町小学校の児童数が650人ほどだったことや、正門付近にそびえるプラタナスの巨木が梯子を抱いている理由など、聴く話の全てが驚きの連続でした。

 地域に対する愛着は、こうした見聞の深まりにつれより強くなってくるんですね。これからも時間の許す限り、町内古跡めぐりに顔を出させてもらおうと思いました。


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