除染土処分学生ワークショップで大熊町・双葉町の課題へ挑む  


 おおくま宣伝チームの加賀谷です。

今回は、大熊町と双葉町にまたがって整備が進んでいる中間貯蔵施設に貯まる除染土の処分の解決策に取組んだ学生ワークショップの模様をご紹介いたします。中間貯蔵施設に貯まる土壌の処分は、大熊町・双葉町にとって最大の課題の一つです。



 中間貯蔵施設内には、福島県内の除染で発生した土壌が貯められています。その土壌は東京ドーム11杯分に相当する量があります。2045年3月までに県外へ運び出しが完了(最終処分)することが法律に明記されています。しかし現時点では、運び出し地が決まっていません。この国家的な課題の糸口を探るため全国から学生が集まり、9月18日から9月22日までの4泊5日の合宿が浜通り地方で行われました。最終日には、県外最終処分に向けた各班に分かれた学生の発表が行われました。主催は福島大学学生で構成される除染土処分に関する学生ワークショップ実行委員会、共催は環境省 環境再生・資源循環局です。



 ワークショップは、公募により全国から集まった学生25名と福島大学の実行委員の学生5名、教職員等で行われました。期間中に中間貯蔵施設、飯舘村長泥地区の再生利用実証施設等の視察や有識者、実務経験者の講話を聴講して現状を学び毎日、最終処分に向けた議論を重ねました。議論は、固定観念に捕らわれない斬新な意見が多く出されました。最終日には、各班の発表が行われ県外の最終処分に向けたアイデアが紹介されました。また除染土の現状を知った学生が今後、当事者として、活動する内容が紹介されました。

 発表内容に共通するのは、除染土の問題は、福島県だけの問題だけでなく日本全体の課題であるという認識でした。そのため知らない人、無関心層にアプローチが必要であるということでした。その切り口として、以下のような内容が紹介されました。

・全国の駅に除染土で育てた花を設置。除染土に関する一斉CMの放映。

・知ることは、合意形成に繋がる。サイエンスコミュニケーションの開催。学生自身が居住地で講演を行う。

・児童・生徒向けに教材を学生が作成する。道徳や理科等、様々な分野から問題を作成する。また地域で復興支援団地を学生が立上げ、全世代を対象にした寺子屋的学習の開催。



ワークショップの実現に至る経緯には、福島大学の学生の問題意識が大きく影響しています。昨年度、学内の「ふくしま未来学 協働プロジェクト学修」で福島大学の学生に伝わる除染土処分の紹介を考えました。活動を通して、福島大学の学生に伝えるだけでは、除染土の問題を前に進めることが出来ないと気づき、他大学の学生も参加する今回のワークショップを環境省に提案して、実現に至っています。

全国から参加した学生達が地域に帰ってどのように展開をしていただけるか楽しみです。今年12月には地域に戻った学生達の活動の発表が予定されています。

皆さんも今後の学生達の活動に注目をお願いいたします。


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