大熊町の羊飼い、ウルスシープさん
皆さん大熊町に可愛い羊さんがいるのはご存じですか?
大熊町大川原西平の静かな場所。50m×50mの敷地に大きな羊舎があります。
今回は大熊町で羊を育てているウルスシープの松本さんにインタビューさせて頂きました!!
佐藤「ウルスシープさんはどのような会社ですか?」
松本さん「おおくま未来合同会社に農業部門と畜産部門があり、食肉販売業として2023年8月から、4頭の羊を飼育するところから始まりました。」
佐藤「松本さんは大熊町にいらっしゃる前はどこでどんなお仕事をされていましたか?」
松本さん「東京で建築・土木の仕事に従事していました。」
佐藤「東京ですか!?何故、大熊町に移住されたのでしょうか?」
松本さん「私の両親が福島県いわき市の出身で親戚もいわきに住んでいましたので、私は東京で仕事をしていましたが、福島にはよく来ていました。震災後の12年前から単身赴任をし、富岡で復興のお仕事をしていて、そのお仕事が大熊町の方に移っていき、2年前に大熊町に移住しました。」
羊舎は松本さんお仕事の経験を活かし、ご自身で設計されたそうです。
松本さん「今の生活は、お仕事の時間を8時間だとすると本業:ウルスシープ=1:7の割合です。12月は朝6時半の明るくなってきた時間から18時まで羊のお世話をしています。夏は、日が長いのでは朝6時から19時まですね。エサやりとお掃除をして羊と遊んであげています。」
佐藤「???遊んであげているんですか???」
松本さん「今、羊舎には47頭の羊がいますが、いろんなところから集めた子たちなので、人に慣れていません。羊たちに人を好きになって欲しいので撫でてあげたり、ブラッシングをしてあげたり、一緒にいる時間を長くしています。よく羊がじゃれてきてぶつかってくるんですが、勢いが強すぎて痣が出来ることもあります(笑)」
佐藤「えッ!?でもそんなに可愛がっていたら、食べる様になった時、情が湧いたりしませんか?」
松本さん「47頭のうち食肉用の羊は15頭です。会社の方針で、愛情たっぷりに育てよう!ということをスタッフと共有しています。スタッフは15頭の羊たちが食肉であることは、なるべく考えない様にしてお世話をしています。
あとの羊たちは今度、大熊町のお祭りなどのイベントに出演する予定の4頭と、繁殖のための羊たちです。
フクシマでは畜産用の動物を放牧できませんが、私もいろいろな羊舎を見学してきて、狭いところで飼育するよりも、羊たちが伸び伸びと過ごせるようにしてあげたいと思っています。」
佐藤「羊さんというと、バリカンで毛を刈ってあげるイメージがあるのですが、ウルスシープさんで刈った羊毛はセーターの材料になったりするんですか?」
松本さん「毛刈りは4月末にやるんですけど、日本で羊毛のセーターを作るとなると、洗ったりゴミをとったりという手間がかかってしまい、出来上がったセーターは約7万円という高級品になってしまいます。まちおこしのために羊毛を使って手芸品を作るということも考えられますが、今は肥料として使っています。もし羊毛が欲しいという方がいたらお譲りはしています。」
佐藤「お乳はとれるのでしょうか」
松本さん「今いる品種の、羊のお乳は子羊用の量しか出ません。来年たくさんお乳の出る品種の羊を連れてきて、チーズを作りたいと考えていますが、日本では少ない品種で、子供から育てないといけなくて、交配できるまでに1年かかるんです。」
佐藤「大熊町の気候は羊さんにとって過ごしやすいですか?」
松本さん「冬は快適そうに過ごしていますが、夏は暑くて湿気が多いので具合が悪そうになっている時があります。なので扇風機を回してあげて、羊たちが快適に過ごせるようにしてあげてます。」
佐藤「大熊町で羊を育てることに応援してくれる方は多かったですか?」
松本さん「応援してくれる方が多かったです。ただ補助金が出ない事業でして、ビジネスとして難しいんじゃないの?と心配してくださる方はいました。実際、羊を育てて利益を出すには、自分たちでレストランを経営して、お客さんに届けるまでをやらないと難しいです。」
松本さん「でも私自身は利益のためにやっていることではなく、大熊町の復興に貢献するのが目的で、羊を育てて色んなことをやって、町のお役に立てれば良いと思っています。2月には子羊が15匹から20匹くらい生まれる予定です。」
そこで一般の方が見学に来たいときは受け入れて頂けますか?と松本さんに質問してみました!!
大人数の団体様は難しいかもしれませんが、ウルスシープさんにご連絡いただくか、インスタグラムのDM等で相談をして頂ければ、見学させてもらえるそうです!
ウルスシープさんにはヤギさんも3頭います。子ヤギちゃんは親ヤギが死んでしまって、人間に育てられた子ヤギちゃんで松本さん曰く
「自分のことを人間だと思ってるんじゃないか。というくらい懐いてます。」
と楽しそうに話されていました。
それくらい、羊やヤギたちに愛情を注いでいるということなんですね!!
ウルスシープさんはインスタグラム(https://www.instagram.com/okuma_hitsuji/)をされていて、定期的に可愛い羊たちやヤギさんの様子に癒されることが出来ます。皆さん是非フォローをして、機会があったら、羊さんに会いに行きましょう!!
松本さん、ウルスシープのスタッフの皆さんご協力ありがとうございました!!
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