鉄塔のある風景


 「水戸黄門」「遠山の金さん」「暴れん坊将軍」など、かつては時代劇が席巻していたテレビドラマ。いま地上波では、NHKの大河くらいでしか見ることができません。時代劇好きの常世田(トコヨダ)としては、YouTubeの時代劇チャンネルで「銭形平次」や「素浪人・月影兵庫」を楽しんでいます。

 しかし非常に残念に思うのは、大熊町では時代劇のロケは出来ないだろうな…、ということ。なぜなら、町内どんな場所でカメラを回しても必ず『送電鉄塔』が映り込んでしまうからです。自然の豊かさが売りの我が町ですが、さすがに時代劇で鉄塔はNGでしょう。こればかりは致し方ありません。



 だからといって鉄塔を邪魔者扱いしているワケではありません。これはこれで大熊町に価値をもたらしてくれています。俗に『鉄塔マニア』と呼ばれる人たちが、県外ナンバーの車で乗りつけ鉄塔の写真を撮っている姿をしばしば見かけるからです。つまり鉄塔が、観光資源になっているということです。



送電鉄塔は同じように見えていても、個々の形状は少しずつ異なります。さらに天候や見る時間帯によって見え方が違います。『みんなちがって、みんないい』という、人間と似たようなところがあるからでしょうか?

また、福島第一原発で作られた電気は関東まで送られていました。ですから、これらの鉄塔にかかる送電線は「大熊と東京をつなぐ架け橋」でもあったのです。そんなところまで想いを馳せると、なんとなくロマンを感じたりもします。



大熊町にはビルやタワーマンションなどの高層建造物がありません。故に、空が大きく見えます。広い空にそびえる鉄塔の姿も、毎日見てると愛着が湧いてくるものです。あくまで個人的にではありますが、この風景は永く残しておいて欲しいなぁと思います。


コメント

人気の投稿